ビデオテープに保存されている映像のデータをデジタル化によって長期保存できるようになれば、過去の映像や記録が失われることなく保存可能です。将来的にも利用価値を見出すことができます。ビデオテープのデジタル化について方法や必要性を解説します。
デジタル化とは、カセットテープやビデオテープなどに録画・記録されている音声や映像などのデータを抽出して、DVDやHDD、SSDなどのメディアへデジタル保存することの総称です。
ビデオテープをデジタル化することで、ビデオテープの再生機が無くても映像データを鑑賞できるようになり、また将来的にデータを残すことが可能になります。
ビデオテープのデジタル化が望ましいとされる理由や必要性には色々な要因が考えられます。
まず、ビデオテープはプラスチックや磁気テープなどによって構成されています。これらは湿気や紫外線(日光)、温度などの外的要因によって劣化していく物質です。当然ながらビデオテープそのものが経年劣化によって品質低下してしまうと、保存されている映像データなどにも悪影響が及ぼされます。場合によっては再生・ダビングすることすら困難になってしまうでしょう。
そのため、ビデオテープがまだ再生可能なタイミングでデジタル化しておくことは、データ管理・保存する方法の1つです。
ビデオテープが劣化するのと同様に、録画されている映像の画質や音質といったデータ品質も時間の経過とともに低下していきます。一方、デジタル化されたデータであればその後はコピーによってそのままの状態で別媒体へ移動・複製が可能。データの長期保存や品質維持を行いやすくなる点は見逃せません。
ただし、デジタル化された時点のデータ品質が維持されるため、特殊なデジタル処理によって映像の復元などをしない限り、デジタル化やコピーで映像品質が改善されることはありません。
根本的にビデオテープを再生できるビデオデッキの機器が生産終了によって市場から姿を消しており、すでに個人でビデオテープを再生して楽しむことが困難な時代になりつつあります。
一方、DVDやHDDなどにデジタル保存されているデータであればパソコンや各種再生機によって再生して視聴できます。映像データの利用価値を保てることがメリットです。
ビデオテープのデジタル化は、ビデオテープの所有者が個人で行う場合と、ダビングサービス業者へ依頼する場合の、大きく2つのパターンがあります。
まず個人でビデオテープのデジタル化をやる方法の1つとして、ビデオデッキと録画機能を備えたDVDプレイヤーやDVDレコーダーを有線接続して、ダビングするというものがあります。
ビデオデッキの出力からDVDレコーダーの入力へ映像や音声を流し、それをDVDで録画するという流れです。
DVDレコーダーを使わず、パソコンを使ってデジタル化することも可能です。ビデオデッキとパソコンのモニターを接続し、ビデオテープに保存されている映像をモニター上へ映し出します。そして、パソコン画面を記録するキャプチャリング機能によって録画するという方法です。
キャプチャーソフトやアプリの設定によって保存するデータ形式を選択できる場合もあり、デジタル化した後のデータの再利用やコピーなどを行いやすいという点が強みです。
DVDレコーダーを使う場合も、パソコンやキャプチャーソフトを使う場合も、ビデオデッキや周辺機器を用意したり、映像の再生時間に合わせてダビングや録画を行わなければならなかったりと、個人で行うには手間がかかります。
そのため、ビデオテープが複数ある場合や、逆に1本だけしかなくビデオデッキも持っていないような場合は、ダビングサービス業者へ依頼してデジタル化してもらうことが無難です。
デジタル化したデータはDVDやHDD、SSDといった物理メディアで記録して保管できます。あるいはクラウドのデータ保存サービスを利用して、ネットワーク上にあるサーバでデータを保管するといった方法もあるでしょう。
ただし、いずれの場合も長期保存を目指す際には相応の注意点があることも重要です。
例えばDVDやBlu-rayといったディスクメディアにもビデオテープと同様に経年劣化の可能性があります。また、HDDやSSDにも寿命があり、長期にわたってデータを保管するためには定期的にメディアの移し替えが必要です。クラウドサービスを利用する場合も、サービス終了のリスクに備えておきましょう。
ビデオデッキとパソコンやDVDレコーダーなどを用意して、自分でビデオテープのデジタル化を行うことは可能です。しかし作業には手間やコストがかかる上、特に劣化の進んだビデオテープの場合は取り扱いを誤るとテープそのものが破損してしまい、データが失われるといったリスクもあります。
そのため確実にデジタル化をしたい場合や、テープの本数が多い場合などは、自分で作業せずダビングサービス業者といったプロへ相談することも検討してみましょう。
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