古いVHS(ビデオテープ)に収録されている映像を今後も残しておきたくても、VHSを再生できる機器が少なくなり、テープ自体の劣化問題もあります。長い間映像を残せるようにこのページでは、VHSのバックアップとしてデジタル化を行う際のポイントを解説します。
VHS(ビデオテープ)の保管や映像の保存と切り離すことのできない課題として、ビデオテープの経年劣化と寿命があります。
ビデオテープは磁気テープに映像データを記録しており、徐々に磁気テープの磁気が弱くなることで映像の品質が低下。テープの本体はプラスチックで作られており、経年劣化によってプラスチックそのものの状態が悪化します。
ビデオテープには、磁気テープの品質低下やテープ本体の劣化、さらに保管状況によってはテープにカビが生えるといったこともあり、昔に製造されたビデオテープではすでに多くのものが品質的に寿命を迎えていると言えるでしょう。加えて、劣化したテープを再生機に使えば、再生機にもダメージを与えかねません。
VHS(ビデオテープ)のバックアップやコピーといえば、VHSから別のVHSへのダビングが主流でした。しかし現代ではそもそもビデオテープ自体の市場流通がなくなり、また現存しているテープも多くが経年劣化によって品質低下を起こしています。そのため、今の時代に改めてビデオテープからビデオテープへダビングしたとしても、遠からずバックアップしたテープの再生も難しくなるでしょう。
VHS(ビデオテープ)のバックアップをするならば、映像データをデジタル化してDVDやHDD、SSDといったメディアに記録して保存するといったことが主流になります。
ただし、そのためにはまずVHSのデータをデジタルデータとして取り込むことが必要です。
VHS(ビデオテープ)のデジタル化を行う際の注意点をまとめました。
VHS(ビデオテープ)の再生機であるビデオデッキの多くは生産が終了しており、市場で手に入れられるほとんどのビデオデッキは中古品になるでしょう。
そのためビデオデッキそのものも品質面でリスクや懸念があり、例えばビデオデッキの再生機能の状態を外観や品番などから正確に判断することはできません。
データのバックアップやダビングを目的としてビデオデッキを購入する場合、故障リスクなども考慮して、高級品を選ぶのでなく故障前提で購入を考えましょう。
テープを再生して録画している最中に映像の乱れが生じた場合、その原因がどこにあるのかチェックが必要です。
そのため他のテープも複数再生し、同様の乱れがあるのかチェックします。もし他のテープでも同様の映像の乱れなどがあれば、ビデオデッキに不具合があると判断できます。一方、特定のテープを再生した時だけに乱れが発生する場合、テープに原因があると考えるべきでしょう。
ビデオテープをビデオデッキに挿入して再生する前に、テープ部分を観察してカビの発生がないか確認しなければなりません。
もしテープの巻き取り面にモヤやホコリのようなカビが見られた場合、そのテープの再生は避けましょう。
カビの生えたテープは品質が劣化しており、正常に再生できないばかりかビデオデッキにダメージを与えるリスクが大きくなります。もしカビの生えたビデオテープを発見した場合、ダビングやバックアップをあきらめるか、もしくはビデオテープの扱いに詳しい専門業者へダビングを依頼することが無難です。
ビデオテープをデジタル化したとして、そのデータを保存する際に注意すべき法律が著作権法です。
個人で楽しむだけであれば、テレビドラマや映画をダビングしても著作権侵害に抵触しませんが、ネット上に公開したり不特定多数へ共有したりすれば著作権侵害になるため注意してください。
ビデオテープに寿命があるように、DVDやHDDといったデータを保存するメディアにも寿命があります。
一例として、各種メディアの寿命は一般的におよそ以下のようになっています。
まず、ビデオテープに寿命がある理由としてプラスチック製という点がありますが、同様にCDやDVDといったメディアもプラスチックを利用して製造されています。そのため当然ながらCDやDVDにも相応の寿命が存在している点は重要です。
なお、保管可能な期間は保管している場所の環境や保管方法などによって異なるため、一概に決めることはできません。
またしばしば誤解されているものとして、HDD(ハードディスク)やSDカードなどの寿命の問題があります。実は、HDDやSDカードのようなデバイスの寿命はビデオテープやDVDなどよりも短く、場合によっては数年でデータの読み込みができなくなるケースもあるでしょう。
VHS(ビデオテープ)から映像をDVDやHDDにダビングしてバックアップしたとしても、新しいメディア自体にも寿命があります。今後も長くデータを保存するためにも、改めて他の方法でのバックアップが欠かせません。
デジタルデータのバックアップ方法としては、同じくHDDやDVDといったメディアにデータをコピーして保存したり、あるいは個人向けのクラウドサービスのような外部サーバにデータを記録したりと複数の方法が考えられます。
デジタルデータは一度バックアップすればいいと考えるのでなく、定期的なデータ管理と再バックアップを行いましょう。
VHS(ビデオテープ)に記録されている映像をデジタル化し、新しいメディアにダビングしてバックアップデータを作成する場合、基本的には個人で行うことが可能です。ただしテープの状態によってはデータ化が難しかったり、そもそも素人が対処できなかったりといったケースも少なくありません。加えてダビングにかかる時間も問題です。
そのためVHS(ビデオテープ)のバックアップを検討する場合、ダビングサービスを取り扱う専門業者へ依頼することもおすすめです。
対応メディア | DVD・CD | BD | データ |
---|---|---|---|
VHS | 898円/本 | 1,557円/本 | 898円~/本 |
miniDV | 898円/本 | 1,557円/本 | 898円~/本 |
対応メディア | DVD | BD | データ |
---|---|---|---|
VHS | 1,650円/本(60分) | ー | ー |
miniDV | 1,650円/本(60分) | ー | ー |
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