かつては家族のイベントや子どもの成長を記録するのに欠かせなかったビデオテープ。でも今は再生機もないし、見る機会もほとんどない…。そんなテープが押し入れや棚の奥に残っているご家庭も多いと思います。
「そろそろ片付けたい」「断捨離して、すっきりさせたい」そう思いながらも、いざ捨てようとすると迷ってしまうこともあるかもしれません。断捨離して後悔しないためには、ダビングを検討するのがおすすめです。
この記事では、「ビデオテープの断捨離」を検討している方に向けて、捨てる前にダビングするメリットや方法ご紹介します。ダビング後の処分方法もあわせてご紹介しますので、「どうやって片付けたらいいか迷っている」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
ビデオテープは1本1本がそれなりの大きさで、収納していると意外と場所をとります。何十本もあれば、棚や押し入れの一角が埋まってしまうことも。
ダビングによってデータ化すれば、映像はDVD1枚やUSBメモリ1本にまとめることができます。外付けハードディスクに保存すれば、さらに多くの映像をコンパクトに管理できます。
ビデオテープは時間が経つと劣化が進み、映像が乱れたり、音声が途切れたりすることがあります。特に高温多湿の場所に保管していた場合、テープ内部にカビが発生して再生できなくなることも。
再生機器があっても、テープの状態が悪いと再生できないこともあるため、大切な映像は見られるうちにダビングしておくことが大切です。一度ダビングしておけば、画質がこれ以上落ちることもなく、安心して保管できます。
テープにしか入っていない思い出は、持っている本人しか見られません。しかし、ダビングしてデータ化すれば、DVDにコピーしたり、オンラインストレージにアップロードしたりして、離れて暮らす家族や親戚とも気軽に共有できます。
たとえば昔の旅行や結婚式、子どもの発表会など、家族みんなで共有したい映像がある場合は、データ化しておくことで再び話題にできるきっかけにもなります。
ビデオテープを断捨離しようかと考えるとき、「後悔するかもしれない」「あとで見返したくなるかもしれない」と迷う方が多いでしょう。でも、ダビングして映像が手元にあれば、テープ自体は思い切って手放すことができます。
物は減らせても、記録はちゃんと残せる。この安心感があることで、「断捨離しよう」と決めた気持ちを後押ししてくれます。
ビデオテープをデータ化する方法は、大きく分けて「自分で行う」か「業者に依頼する」かの2通りです。
それぞれの方法には、かかる手間や費用、仕上がりの違いがあります。
再生可能なビデオデッキがあれば、自宅でダビングできます。
自分でダビングする最大のメリットは、コストを抑えられることです。業者に依頼するとテープ1本ごとに料金がかかりますが、自分でダビングするなら本数が多くても、録画時間が長くても関係ありません。
しかし、下記のような注意点もあります。
まず大きなハードルになるのが、ビデオデッキの入手です。自宅に再生可能な機器があるなら問題ありませんが、すでに家にないという方も多いでしょう。
VHS・Hi8・miniDVなどの再生機器は、新品ではほとんど流通していません。中古市場では価格が上がっていたり、状態が不安定なものも多く、「買ったけれど再生できなかった」というケースもあります。
また、映像をパソコンに取り込むためには、ビデオキャプチャー機器や対応ソフトも必要です。パソコンのOSによっては対応していない場合もあるため、事前に確認が必要です。
ビデオを再生しながら録画するため、映像の長さと同じだけの時間がかかります。テープが10本ある場合、10〜15時間以上かかることも珍しくありません。
また、作業中には細かな手間も発生します。たとえば、映像の最初をきれいに録画するために再生位置を調整したり、録画が途中で止まっていないか確認して、必要に応じてやり直したりといった作業が必要です。
さらに、録画が終わったあとは、保存したデータに名前を付けて整理したり、場合によってはDVDに書き出したりする工程もあります。「ちょっとずつやればいい」と思っていても、そのあいだにもテープの劣化してしまいますし、片付けも進みません。
古いテープでは、テープの劣化やカビにより、映像が乱れたり音声が途切れたりすることがあります。こうした場合、自分で修復するのは難しく、ダビングしてもきれいに残せない可能性があります。
また、キャプチャーソフトの設定や録画ミスによって、「録画できていなかった」「途中で止まっていた」といったトラブルも起こりがちです。録画のたびにチェックする必要があり、手間やストレスにつながることもあります。
業者に依頼する最大のメリットは、手間をかけずに、高品質なデータを残せるという点です。1本あたり数百円〜千数百円程度の費用がかかりますが、その分、安心感や仕上がりの満足度は高くなります。業者に依頼するメリットを詳しく見ていきましょう
業者はダビング専用の機材や安定した再生・録画環境を整えており、自宅での作業よりも映像・音声の乱れが起こりにくいのが特徴です。テープの状態に応じて再生スピードを調整したり、ノイズを軽減したりといった細かな対応も期待できます。
長年の経験があるスタッフが作業するため、失敗や録り損ねのリスクも少なく、安心して任せられる点が大きなメリットです。
古いビデオテープは、長期間保管されていたことによるカビやテープの波打ちなどのトラブルが起きていることもあります。
一般家庭では再生を避けるべきこうしたテープも、業者であれば専用のクリーニング処理や補修作業によって、再生可能な状態にしてからダビングしてもらえる場合があります。
家庭にあるビデオテープは、VHSだけでなく、VHS-C、Hi8、miniDVなど規格が混在していることも珍しくありません。業者に依頼すれば、それぞれの規格に対応した機器で再生・ダビングしてもらえるため、「このテープは再生できない」と悩むことなく一括で対応できます。
「古いカメラで撮った記憶はあるけれど、何のテープかわからない」といった場合でも、メディア判別のサポートをしてくれる業者もあります。
ダビングの納品形式には、DVDやBlu-rayだけでなく、USBメモリやデータファイル形式(MP4など)も選べる場合があります。家で再生しやすい形式を選んだり、家族と共有しやすい形にしたりと、使いやすさに合わせて柔軟に選べるのが魅力です。
何よりのメリットは、作業に時間を取られないことです。テープを送るだけであとは仕上がりを待つだけなので、忙しい方やパソコン操作が苦手な方でもスムーズに進められます。
特に、テープが10本以上あるような場合には、自分で作業するより時間と労力を節約できます。「とにかく手間なく、きれいに残したい」という方には、業者への依頼がもっとも確実な方法といえるでしょう。
ビデオテープの処分で最も一般的なのは、自治体の定期的なごみ収集に出す方法です。
多くの地域では「燃やせないごみ」または「プラスチックごみ」として分類されていますが、地域によってごみの分別ルールが異なるため、事前に自治体のホームページやごみ出しガイドを確認しましょう。地域によっては、ビデオテープ本体は「可燃ごみ」扱いなのに対し、ケースが「資源ごみ」や「プラスチックごみ」として分類されることもあります。
収集日に合わせてまとめて出せるため、本数がそれほど多くない場合には、最も手軽な方法です。
ビデオテープが大量にある場合や、収集日まで待てないときは、お住まいの自治体が運営するごみ処理施設へ直接持ち込むという方法もあります。
処理施設では、ごみの種類や重さに応じて処理料がかかることがありますが、まとめて処分したい場合には便利です。分別方法や持ち込みルールが決められており、また事前予約が必要な施設も多いため、事前に市区町村のサイトや電話窓口で詳細を確認しましょう。
自分で分別したり、収集日や施設の営業時間に合わせたりするのが難しい場合は、不用品回収業者に依頼するという選択肢もあります。
不用品回収業者は、家庭内のさまざまな品目に対応しており、ビデオテープやその保管ケースもまとめて引き取ってもらえることが多いです。希望の日時に回収に来てもらえるため、引っ越しや大掃除など、時間が限られているタイミングでも便利に活用できます。
ただし、費用は自治体の処分に比べて割高になることがあるため、事前に料金体系を確認し、できれば複数社で比較検討するのが安心です。悪質な業者による不当な請求トラブルもまれに報告されているため、自治体に登録されている業者や、口コミ・実績のある回収業者を選ぶようにしましょう。
ビデオテープを処分する際は、単に「ごみに出す」だけでなく、プライバシーや分別のルールにも配慮することが大切です。
ビデオテープには、録画内容や日付、個人名などが書かれたラベルが貼られていることがあります。これらをそのまま捨ててしまうと、プライバシーの観点から心配が残ることも。
ラベルがはがしやすい場合はあらかじめ取り除き、難しい場合は油性ペンなどでタイトル部分を塗りつぶしてから処分すると安心です。家族の名前や自宅の映像が記録されている場合など、念のため一手間かけておくことで、トラブルの心配も減らせます。
ビデオテープの外側に付いているプラスチックケースは、テープ本体とは別素材でできていることが多く、分別が必要な自治体もあります。たとえば、ケースは「資源ごみ」、テープは「燃やせないごみ」とされている地域もあり、一緒に出してしまうと収集してもらえない可能性もあります。
事前に自治体の分別ルールを確認したうえで、必要であればケースを外して分けて処分するようにしましょう。
対応メディア | DVD・CD | BD | データ |
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VHS | 898円/本 | 1,557円/本 | 898円~/本 |
miniDV | 898円/本 | 1,557円/本 | 898円~/本 |
対応メディア | DVD | BD | データ |
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VHS | 1,650円/本(60分) | ー | ー |
miniDV | 1,650円/本(60分) | ー | ー |
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