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親が亡くなったり施設に入居したりして、住む人がいなくなった実家をどうするか。「実家じまい」は家自体を手放すところまで含めた大がかりな作業で、片付けや処分だけでは終わりません。
「何から始めればいいのか」「費用はどのくらいかかるのか」「兄弟姉妹とどう話し合えばいいのか」など、悩むポイントは人によってさまざまです。時間をかけすぎると固定資産税や特定空き家の指定など、経済的な負担も膨らんでいきます。
この記事では、実家じまいの進め方を5ステップで整理し、費用相場や失敗を防ぐポイント、家の中から出てくる思い出の品との向き合い方までわかりやすく紹介します。
実家じまいという言葉自体は比較的新しく、一般的に使われるようになったのはここ10年ほどのことです。まずは実家じまいの意味と、進める人が増えている背景を整理しておきます。
「実家の片付け」と「実家じまい」は似た言葉ですが、指している範囲が違います。実家の片付けが家の中の物を整理する作業を指すのに対し、実家じまいは家そのものを手放すところまで含めた一連の作業を指します。
具体的には、家の中の遺品整理・不用品の処分・相続手続き・名義変更・売却または解体・跡地の活用まで、複数のステップが連続します。片付けだけでは終わらないため、時間もお金もかかる作業になります。
「片付けたら終わり」と考えていた方が、名義変更や税金の問題で立ち止まってしまうケースは少なくありません。実家じまいを始める前に、まずは「どこまで進める必要があるのか」を家族で確認しておくことが大切です。
実家じまいを検討する家庭が増えている背景には、少子高齢化と核家族化があります。子どもが実家を離れて別の場所で暮らしているケースが増え、親の家をそのまま引き継ぐ人がいない状況が全国で広がっています。
総務省の統計でも、全国の空き家数は年々増加しており、今後も増える見通しです。「相続はしたけれど、住む予定はない」「維持だけで負担が大きい」といった理由から、早めに家を手放す判断をする方が増えています。
また、親が元気なうちに一緒に方針を決めておく「生前の実家じまい」を選ぶ家庭も出てきました。親が亡くなってから慌てるより、話し合いながら進められるという安心感があります。将来の負担を家族全体で分散できる点も、生前に動くメリットです。
実家をそのまま放置しておくと、経済的にも社会的にも大きなリスクを抱えることになります。まず固定資産税や都市計画税は、住んでいなくても毎年発生します。管理せずに放置すると、老朽化・雑草・害虫・不法侵入・放火などのリスクも高まります。
2015年に施行された「空家等対策特別措置法」により、管理が不十分な空き家は「特定空き家」に指定される可能性があります。特定空き家に指定されると、住宅用地の税制優遇が外れ、固定資産税が最大6倍になるケースもあります。
「まだ売る決心がつかない」という気持ちがあっても、放置期間が長くなるほど負担が増えていきます。売却や解体まで決めきれない場合でも、定期的な換気や庭木の手入れなど、最低限の管理だけは続けておきましょう。管理代行サービスに月1回程度の見回りを依頼する方法もあります。
実家じまいは順番を決めて進めることが成功の鍵です。思いつきで動くと、相続で揉めたり、大切なものを処分してしまったりする原因になります。ここでは5つのステップに整理して紹介します。
最初にやるべきなのは、相続人となる家族全員で方針を決めることです。誰かひとりで進めてしまうと、あとから「勝手に決めた」と揉める原因になります。
話し合うべき主な項目は次のとおりです。
方針が揃わないまま作業に入ると、途中で手が止まります。最初の話し合いに時間をかけたほうが、結果的に近道です。話し合った内容は口約束ではなく、簡単でよいので文章に残しておきましょう。あとで「言った・言わない」のトラブルを防げます。
家を売却・解体するにも、相続と名義変更の手続きが済んでいなければ動けません。まず親が亡くなっている場合は、遺言書の有無・法定相続人・遺産分割の内容を確認します。
不動産の相続登記は2024年4月から義務化されており、相続の開始を知った日から3年以内に手続きする必要があります。放置すると10万円以下の過料が科される可能性もあるため、早めに動いておきましょう。
親が存命の場合でも、名義や権利関係を整理しておくと、いざというときスムーズに動けます。司法書士や行政書士に相談すれば、必要書類の収集から代行してもらえます。相続人の間で意見が対立している場合は、弁護士や税理士も交えて話を進めるとトラブルを防ぎやすくなります。
相続と名義の見通しがついたら、家の中の物を仕分けていきます。基本は「残す」「捨てる」「迷う」の3分類です。思い出の品や貴重品を優先的に確認し、そのうえで不用品を分けていきます。
仕分けは1日では終わりません。部屋・押し入れ・納戸・倉庫・物置と、エリアを区切って進めるのが現実的です。実家が遠方にある場合は、週末や長期休みを使って何度かに分けて通うことになります。移動と宿泊のコスト・スケジュール調整も、事前に計算に入れておきましょう。
作業中には通帳・印鑑・権利書・保険証券などが出てくることも多いため、貴重品専用の箱を1つ用意してそこにまとめていくと安心です。写真や手紙、ビデオテープなどの思い出の品は、その場で処分を決めずに、いったん保留の箱にまとめておきましょう。
仕分けが済んだら、不用品を処分します。自治体の粗大ごみ・可燃・不燃ルールに従って処分するのが基本ですが、量が多い場合は不用品回収業者や遺品整理業者に依頼したほうが現実的です。
まだ使える家具や家電はリサイクルショップやフリマアプリで売却でき、費用の一部を回収できます。骨董品や古書、切手・古銭などが出てきた場合は、専門業者に査定を依頼すると想定外の価値がつくこともあります。買取と処分をまとめて対応してくれる業者を選ぶと、作業の手間も減らせます。
業者に依頼する場合は、複数社から見積もりを取るのが基本です。相場から大きく外れた金額を提示する業者や、追加料金の説明が曖昧な業者は避けましょう。訪問見積もりを受けて、作業内容と金額を書面で確認できる業者を選ぶと安心です。
家の中が片付いたら、いよいよ家自体をどうするかの段階です。主な選択肢は「売却」「解体して土地を売却」「解体して更地活用」「賃貸として貸す」の4つになります。
築年数が古く建物の価値が低い場合は、更地にしたほうが売れやすくなる一方、解体費が数百万円かかります。逆に、リフォームすれば貸せる状態なら、賃貸に出して収益化する選択肢もあります。地域の不動産会社に査定と相談をして、費用対効果の高い方法を選びましょう。
売却や解体には数か月〜半年ほどかかることが一般的です。急いで進めるよりも、複数社の意見を聞いてから判断したほうが後悔しにくいステップです。売却の場合は、税制上の特例(相続空き家の3,000万円特別控除など)が適用できるかも税理士に確認しておくと、手取り額が大きく変わります。
実家じまいでもっとも気になるのが費用です。ここでは作業別の費用相場を紹介します。金額は間取りや地域、業者によって幅があるため、あくまで目安として参考にしてください。
遺品整理・不用品回収を業者に依頼した場合の一般的な相場は次のとおりです。
ゴミ屋敷状態や特殊清掃が必要な場合は、これに10万〜数十万円の追加費用が発生することもあります。荷物の量・エレベーターの有無・搬出経路の広さでも金額が変動するため、複数社の見積もりを比較することが大切です。骨董品や家電の買取を行っている業者を選ぶと、費用を抑えられる可能性があります。
建物を解体して更地にする場合の相場は、1坪あたり3〜5万円が一般的です。木造30坪の住宅で90万〜150万円、鉄骨造や鉄筋コンクリート造はさらに割高になります。
解体費は建物の構造・立地・道路の広さで大きく変わります。重機が入れない狭い立地では、手作業の割合が増えるため費用が上がります。地下室や井戸、浄化槽の撤去が必要な場合も追加費用がかかります。自治体によっては解体費の補助金制度を設けているケースもあるため、着工前に必ず確認しておきましょう。
相続登記は自分で申請することもできますが、司法書士に依頼した場合の相場は1件あたり5万〜10万円です。登録免許税として不動産評価額の0.4%も別途かかります。
売却時には、仲介手数料(売却価格×3%+6万円が上限)・印紙税・譲渡所得税などが発生します。売却益が出た場合の税金は、相続からの経過期間や特例の適用で大きく変わるため、税理士に確認しておくと安心です。相続空き家の3,000万円特別控除など、条件を満たせば税負担を大きく減らせる制度もあります。
片付けから解体・売却までを合わせた実家じまい全体の総額は、一軒家で100万〜400万円程度が目安です。ただし、家の状態・地域・処分方法によって上下します。
売却で得られる金額と、片付け・解体・税金などの費用を差し引いた「実質の手取り」で判断することが大切です。数字だけで見ずに、家族の思いや今後の生活まで含めて判断していきましょう。急いで安く売るより、時間をかけて条件のよい買い手を探したほうが、最終的な手取りが増えるケースもあります。
実家じまいで特に手が止まってしまうのが、写真・アルバム・ビデオテープ・8mmフィルム・カセットテープなどの思い出の品です。捨てるのはためらわれるものの、そのまま持ち帰るには量が多すぎることもよくあります。
紙の写真やアルバムは、スキャナーやスマホアプリでデータ化できます。データ化しておけば、場所を取らずにすべての写真を残せるうえに、家族と共有もしやすくなります。原本を残すかどうかは、データ化してから改めて判断すれば大丈夫です。
枚数が多い場合は、写真スキャン専門の業者に依頼すると1枚あたり数十円で対応してもらえます。実家じまいの片付けと同時に発送するだけで済むため、時間をかけずに済ませられます。兄弟姉妹にもデータで配れば、原本の取り合いになることもありません。
実家からは、VHS・miniDV・8mmビデオ・8mmフィルム・カセットテープ・レコードなど、現在では再生機がほとんど手に入らないメディアが出てくることがあります。放置すればどんどん劣化していくため、実家じまいのタイミングでまとめてデジタル化しておくのが賢明です。
ビデオテープや8mmは、時間の経過とともにカビ・テープ切れ・映像の色あせが進みます。今は再生できても数年後には見られなくなる可能性が高く、実家じまいのタイミングで対応しておくのが安心です。
ダビングは専門のダビング業者に依頼するのが確実です。カビ取り・テープ補修・海外規格の変換にも対応してもらえ、DVD納品・データ納品どちらでも選べます。実家から送るだけで完了する宅配サービスも多く、遠方の実家整理にも向いています。
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実家じまいは金額も労力も大きい作業のため、失敗すると家族関係にひびが入ることも少なくありません。よくある失敗パターンを事前に知っておけば、避けられます。
もっとも多いのが、誰かひとりで判断して進めてしまう失敗です。「近くに住んでいる自分がやるしかない」と抱え込んだ結果、後で他の兄弟姉妹から「勝手に処分した」と責められるケースがあります。
最初の話し合いには、多少無理をしてでも全員が参加しましょう。方針・費用・作業分担を文章に残しておくと、後日のトラブル防止になります。話し合いが難しい場合は、家族信託や中立の第三者を入れる方法もあります。オンライン会議を使えば、遠方の兄弟姉妹とも定期的に話し合いを続けられます。
片付けは進んでいるのに、相続登記や名義変更が済んでおらず、いざ売却しようとしたら手続きに数か月かかった、というケースは少なくありません。
2024年4月からは相続登記の義務化が始まっており、放置すると過料の対象になります。片付けと並行して、司法書士に相談しながら手続きを進めておくと、あとがスムーズです。売却スケジュールから逆算し、相続登記の完了時期を先に決めておくと、全体の流れが止まりません。
「一気に片付けたい」という気持ちで作業を進めた結果、大切な写真や家族のビデオを捨ててしまい後悔する話も多く聞きます。とくに8mmビデオや古いカセットテープなど、価値がわかりにくいメディアが処分されがちです。
迷ったらいったん保留し、家族に相談してから決めましょう。「デジタル化してから捨てる」というワンクッションを挟むだけで、後悔を大きく減らせます。中身が確認できないテープでも、業者にデジタル化を依頼すれば内容を確認できます。処分は必ず「見てから」判断するのがおすすめです。
実家じまいは、片付け・相続手続き・不用品処分・売却または解体まで含めた大がかりな作業です。5ステップで順番に進めれば、それほど難しい作業ではありません。まずは家族で方針と期限を決めるところから始めましょう。
費用は総額で100万〜400万円ほどが目安になります。相場を知っておくと、業者の見積もりを冷静に判断できます。
実家から出てくる写真・ビデオテープ・8mm・カセットテープなどの思い出の品は、ダビングサービスでデジタル化して残しておきましょう。実家じまいのタイミングで一度にまとめて依頼できるため、あとで「あの映像を残しておけばよかった」と後悔せずに済みます。

| 対応メディア | DVD・CD | BD | データ |
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| miniDV | 990円/本 | 1,648円/本 | 990円~/本 |

| 対応メディア | DVD | BD | データ |
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